裏の畑に 蕎 播いて
そのまた隣に 粟 播いて
そのまた隣に 黍 播いて
そば通ってあわなきゃ きびわるい
会いたい見たいが 籠の鳥
もしもこの身が 飛べるなら
番屋の屋根に 巣をつくり
焦がれ鳴く声 聞かせたい
一輪咲いても 花は花
一夜の嵐に 散るはイヤ
たとえ草履の 鼻緒でも
切れて気持ちの よいものか
一度咲く花 二度までも
咲かせたいとは 思えども
月にむら雲 花に風
浮世はままに ならぬもの